株式会社ドリコム
どうして起業しよう考えたのですか?
特にきっかけがあったというわけではないですね。大学を選ぶときも、起業をしようと思って大学を選びました。強いて言うなら、高校生の時に携帯のシンポジウムなどのイベントに参加する機会があって、ベンチャーで「自分の作りたいものを生み出していける」ということを知ったというのが大きかったですね。当時はベンチャーなんて新聞にも出てこなかったので、初めて知ったんですね。もともと発明家になりたいと思っていたので、「起業」という選択肢があるということを知って、起業しようと思って大学を選びました。ノーベル賞受賞者が一番多いので起業したい人も多いんじゃないか、という安易な考えで京都大学に進学したんですが、全くそういう人もいなかったので1人ではじめた、という感じです。皆さんも、大学を選ぶ際に「将来これがやりたいから何学部」っていうのがあるじゃないですか。僕にとってそれが「起業」だったってことですね。
株式会社ドリコム様のオフィス入口の写真
どうして現在の事業を始めたのですか?
最初に起業したときにやっていたことは、学生向けのコミュニティーサービスです。丁度僕が起業した頃にはインターネットが出始めた時代だったので、インターネットが世界の何を変えるんだろうと考えたときに、「物事が探しやすくなること」と「コミュニケーションがとりやすくなる」ということだろうなと思いコミュニケーションサービスを作り始めました。「ドリコム」の「コム」もコミュニケーションやコミュニティーから来ています。コミュニティーサービスを作り始めて、プロフィールの部分が一番見られていることにデータを見て気づいたんですね。ただプロフィールの部分は更新性がないので、どうやったら見続けてもらえるものになるか、と考えていたときに海外で「ブログ」が出てきたという小さな記事を発見して、段々そっちの方によってきたという背景があります。
「コミュニケーション」に視点を置くキッカケはありましたか?
キッカケというか、結局新しい産業が生まれる時って、既存のものをどう変えていくかじゃないですか。僕らの頃は、高校生の頃にポケベルが出て、PHSが出て、携帯が出て、という丁度コミュニケーションが「家の電話」から変わっていくのを目の当たりにしてた時期でした。僕は男子校だったので、文化祭で女子高生と友達になっても、連絡手段が家の電話しかなかったんですね。家に電話して、お父さんが出るか、お母さんがでるか、本人が出るか、というので手に汗握ってたんですけれど。それがポケベルが出て、親を介さなくてよくなり、大学生の頃メールの出来る携帯が出て、電話をしなくてよくなった。僕は大学から京都に行っていたんですが、東京の友達とも気軽に連絡をとれるようになり、2003年くらいからはSNSの普及で「今その人がどこで何をしているか」までわかるようになった。デバイスの変化によってコミュニケーションのあり方が変わるというのをすごく目の当たりにしたんですね。それでコミュニケーションサービスはすごくやりがいもあるし、世の中を大きく変えられるだろうと思った次第です。
起業した当初のエピソードをお願いします。
僕も京都のビジネスプランコンテストで優勝して100万円もらって、それは最初の軍資金になりましたね。「やれば何かしらつかめる」というのが一番大きいと思います。「起業したい」と言ったら起業したい人が集まってくるのでそれも機会でしょうし、イベントに参加するのも機会なので、最初の頃はどんどん機会を使っていったら良いんじゃないかと思います。
内藤様の講演の様子
起業したとき不安はありませんでしたか?
一番わかりやすいお金の失敗で言うと、例えば学生さんがどんなにがんばっても10億円の失敗って出来ないと思うんですね。10億円貸してくれる人がいないから。学生起業で失敗できるお金の範囲なんてたかだかしれているじゃないですか。100万円といったら学生さんにとっては大きい金額かもしれないけど、1年間バイトしたら返せる額でしょう。10億失敗したら一生かかっても返せるかわからないですけど、そんな失敗はまずできないので。その代わり人間関係の失敗は気にしなくてはならないと思っています。迷惑をかけてしまったとか、裏切ってしまったとか、というのはずっと響くので。ただお金の失敗はそんなに気にしなくても良いと思います。学生の間は仕送り等含めてある程度死なない程度に生活が担保されているし、もし本当にうまくいかなくなったら就職するっていう裏口もあるので。僕も本当にうまくいかなくなったら一度大企業に就職しようと考えてました。そう考えると大学の4年間は一番リスクをヘッジ出来ているので、失敗を恐れずどんどんチャレンジしていった方が良いと思います。
起業して良かったと思ったエピソードをお願いします。
僕は週の半分くらいは社内の人と会食することが多いんですが、楽しくおいしくビールが飲めていることが良かったと思います。同じ目標に向かって頑張っている人たちと、うちでバーベキューやったり、そういう時間が過ごせていることが本当に良かったですね。追われるのではなく、自ら追いに行くという姿勢で仕事が出来ていることも、本当に良かったと思います。
社内の懇親会の風景
内藤様の学生生活の過ごしかたについて教えて下さい。
本当にないですね。僕にとって大学の4年間は会社の立ち上げが全てだったので。サークルに入ったり、ゼミに入ったり、大学生らしいことをしてみたかったとは思いますが、僕は自分のやりたいことをやったので全く後悔はないです。もう一度大学生に戻れたとしても、同じように起業しますね。前にも話しましたが大学の4年間は一番リスクが担保されている時期だと思うので、好きなことをやったら良いと思います。
今後のドリコムのビジョンを教えて下さい。
僕たち自身はずっと変わらずインターネットという世界の中で、新しい価値をどう生んでいけるか、それをより多くの人にどう使ってもらえるかだと思っています。逆説的に言うと、僕たちの会社からそういうものが生まれなくなったらドリコムという会社はいらないと思ってやっています。そういったものを作り続けるために、どういう組織がいいのか、どういう人を採用したらいいのか、どういう制度や環境があったらいいのか、というのを重点的に考えて仕事をしています。
起業を志す学生へメッセージをお願いします。
いろいろな方がいるので難しいんですが、全般的に言えるのは、一人で事業をやるのはすごく難しいので、まずは先に同じ志を持つ人を見つけた方がいいと思います。結構皆さんどういうビジネスプランにするか、ということすごく重視されているんですけど、誰とやるか、ということの方が重要なんですね。10年後もこいつと一緒にやってるんだ、という人を見つける方が、事業を成功させるという意味では本当に重要じゃないかなと思います。僕自身は、起業したいんだって言うのをあちこち言いまわる機会をつくりました。そうして集まってきた学生の中で、卒業しても就職しないでやっていきたいという人たちをやり始めました。山小屋みたいなところから始まって、一緒に住みながらやってきたという感じです。








